現場レポート

原透展「切光」が11月21日まで東京・いりや画廊で開催中です!

2020.11.18

現場レポート

株式会社石文社


原透展原氏の個展「切光」会場
(作品は「切光3」赤みかげ)


石彫家・原透(はらとおる)氏の個展「切光」が現在、東京・入谷のいりや画廊にて開催されています。みかげ石の作品3点、大理石作品4点、ドローイング(平面)作品10点が展示されています。

「切光」(さいこう)とは原氏が近年シリーズ化している作品のタイトル。もともと「光を切るほど、鋭く研(と)ぎ出した造形を」との思いから考えた言葉だったそうですが、中国語に「切り尽くす」という意味の「切光」の言葉があり、自身の造形・表現の意図と合うことから、このタイトルをつけられたようです。

「石を磨くというのは、あくまでも表面的な仕上げです。石は紀元前より“切る道具”として用いられていたもの。私は、その石をもっと内部から研ぎ出し、そこに現れるカタチを表現したかった。それは、実際には切ることのできない、時間や空間、そして光をも切断することができるのではないかと考えています」(原氏)

原透展作品「切光」シリーズ
(黒みかげ石、白・黒大理石)


原透展作品「切光16」
(イタリア産黒大理石)


原透展作品「切光19」
(イタリア産白大理石)



石を、極限ともいえるほど、研ぎ出す。すると、そのカタチは日本刀のような鋭さを見せます。実際、原氏は「切光」シリーズの制作にあたって、日本刀の書籍・資料を多数収集し、その形状の強さ、反りやしのぎなどを学び、研究されているそうです。道具は電動工具も使いますが、研ぎ出すのは、砥石による手作業。またその対比として見せる粗面の表現にはノミや、化石発掘用の小型の工具なども使います。今回発表した作品は、赤・黒のみかげ石、白・黒の大理石ですが、「石によって研ぎ出したカタチも微妙に違ってくる」と原氏。そういう石による微妙な違いも、鑑賞の際には楽しみたいですね。

ドローイング作品は、鉛筆や木炭、チャコールペンシルで描かれたもので、「光」「重力」、そして「スペース」を与えて表現されているとのこと。確かに平面ではありますが、そこに描かれている世界は想像できないほど広大だったり、原子レベルの微細さだったり、いずれも奥行きのある作品でした。


原透展
原透展作品「多元空間」シリーズ
(木炭紙、鉛筆、木炭、チャコールペンシル)

原透展石彫家・原透氏


期間は11月21日(土)まで! ぜひ会場にて、石彫家・原透氏の作品をお楽しみください!


◇原透展-切光-
会期:2020年11月9日(月)~11月21日(土)
時間:午前11時30分~午後7時30分 *日曜休廊
会場:いりや画廊
https://www.galleryiriya.com/