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写真展鑑賞 東京蔵前のギャラリーにて

2022.10.19

inoricreate

何気ない「時」が昇華した写真展

東京蔵前のiwao galleryにて、写真家広川泰士による新作展「あとかた」が10/23まで開催されています。

 

広川泰士(ひろかわたいし)
1950年、神奈川県逗子市生まれ。70年代よりフォトグラファーとして活動を始め、以降、ファッションや広告などの分野で活躍。一方、悠久の時間をテーマに無限の宇宙の広がり、地球の風景や自然を映し出した作品や、環境と人間の存在を問うスケール感のある数々の作品を発表する。世界各都市での個展、美術展への招待出展多数。作品集に『sonomama sonomama』『STILL CRAZY』『TIMESCAPES −無限旋律−』『BABEL』など。 講談社出版文化賞、ニューヨークADC賞、文部科学大臣賞、経済産業大臣賞、A.C.C.最優秀撮影賞、写真の町東川町 国内作家賞など受賞。サンフランシスコ近代美術館、フランス国立図書館、プリンストン大学アートミュージアム、東京都写真美術館他で作品が収蔵されている。

iwao galleryホームページより転載

 

世界の辺境を旅してきた写真家がコロナ禍の中で被写体に選んだのは自宅。

今回の新作では、壁に付いた沁みや暖炉の炎、庭で拾い集めた石が捉えられています。

何気ないモチーフの中に、写真家がずっと追い続けている「時間」の重みが感じられました。

カタチあるものの象徴である「石」と、変化させていく「炎」や「水」が抽出されたギャラリー内。

水を張った現像バットに沈められて模様が浮かび上がった石。

現像中の印画紙のようだ!(と思うのはフィルム世代ですね)

 

最後に、このストーンサークルでご紹介したい写真集がTIMESCAPE―無限旋律―。

もう20年前の2002年 4月発刊。

8×10の大型カメラによる写真集は、今となっては超貴重になってしまいました。

世界の辺境にたたずむ岩山と夜空が一枚になった写真の数々。

石好きとして思うのは…人類誕生のそばで、既に石はあったのだなあ、と。

広川写真事務所HP内TIMESCAPE紹介ページ

写真集は現在、残念ながら絶版になっているようです。

ギャラリーに行かれた際には、是非見てもらいたい一冊です。

 

広川泰士新作展

あとかた

2022年10月6日(木)~23日(日)

木・金・土・日 12:00ー19:00 (最終日17:00まで)

Iwao gallery(ホームページ)

〒111-0051 東京都台東区蔵前2丁目1−27

※月・火・水 休廊