石工紹介
徳千代冬輝(北村石材店、京都市伏見区)
石工:徳千代冬輝(北村石材店、京都市伏見区)
シンプルでモダンなものが好き
「お墓を建てる仕事で各地へ行きますが、行く先々でいろいろなものを見るようにしています。その結果、仕事中に次につくりたいものが浮かんでくることもありますね。シンプルでモダンなものが好きです」
徳千代冬輝さんは北村石材店(北村修也代表)に入社して4年目の現在33歳(2023年現在)。普段はお墓を建てる仕事が多いそうですが、北村代表から「時間が空いているときは、石を叩いていい」といわれていることから、仕事が落ち着いているときには、作品づくりに励んでいます。
京都伝統工芸大学校で石彫刻を勉強
京都には、代々継承されてきた伝統工芸の技を学ぶことができる京都伝統工芸大学校があります。陶芸や木彫刻、仏像彫刻などさまざまな分野の伝統工芸を学ぶことができますが、徳千代さんは同大学校で石彫刻を2年間勉強し、卒業後に北村石材店に入社しました。
「いろいろな伝統工芸職種を体験したなかで、石を叩いてみて楽しかった」と徳千代さん。「まだまだ勉強。ぺいぺいですよ」といいますが、すでに水鉢などをつくっており、石工の一人として活躍しています。
京都府石材業協同組合の組合創立130周年・協同組合設立50周年を記念して開催された「2021年技能コンクール」にて、参加奨励賞を受賞した「岩鉢」(石種:白石島錆石)
徳千代さんは大学卒業後に一度就職しましたが、「伝統工芸に興味があった」と会社を退職して、京都伝統工芸大学校へ入学した経歴の持ち主です。「伝統的なもののなかから、自分の好きなものを幅広くつくっていきたい」といい、時間があるときは作品のラフスケッチを描いているそうです。
まだ30代。これからが楽しみ
「石を叩いているときは楽しい時間です。感触がなんともいえません」と徳千代さん。伝統工芸に自分のセンスを加えて、どんな作品ができ上がるのか。まだ30代だけにこれからが楽しみです。