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全国各地にある石材組合や石に関する施設などを紹介しています。
鹿児島県立石橋記念公園(鹿児島県鹿児島市)
西田橋。橋長 49.5m、連数:4連、幅員:6.2m
架設年:1846年、建設費:7,127両余、備考:1999年移設
鹿児島県立石橋記念公園は、鹿児島県鹿児島市浜町に位置する歴史公園で、石橋記念館も開館しています。かつて甲突川に架かっていた五つのアーチ石橋(玉江橋、新上橋、西田橋、高麗橋、武之橋。いずれも肥後の石工・岩永三五郎作)のうち、1993(平成5)年の集中豪雨で流失を免れた西田橋、高麗橋、玉江橋の三橋を移設・復元し、2000(平成12)年に開園しました。
西田橋は、城下の玄関口として藩の威光を示す橋で、岩永三五郎の代表作です。かつては木橋でしたが、石橋への架け替え時には木橋時代の青銅製擬宝珠を再利用し、丸柱の欄干など精巧なつくりが特徴。他の四橋の約3倍の建設費がかけられました。復元は当時の技術や経済状況を踏まえ、美的・構造的意図が最もよく表れた創建時の姿を基本に行なわれました。
西田橋の欄干には擬宝珠がつく
西田橋のアーチ石には「弘化三年丙午 九月十一日留石入」と刻まれる
高麗橋は五石橋のうち3番目に架けられた橋で、上流側の水切石が垂直に近い勾配で立ち上がった独特の形状が特徴とされています。つくられた当時の形状を特定することが困難で、市民に慣れ親しまれた明治末~大正末期の姿に復元されています。
高麗橋。橋長:54.9m、連数:4連、幅員:5.4m
架設年:1847年、建設費:2,800両、備考:1999年移設
玉江橋は五石橋のなかで最後に架けられ、城下から離れた場所に位置しました。他の橋と比べ改変は少ないものの、洪水による被害で補修が重ねられました。復元は創建時の姿を基準とし、昭和30年頃までの写真などを参考にしています。
玉江橋。橋長:50.7m、連数:4連、幅員:4.0m
架設年:1849年、建設費:1,560両、備考:1999年移設
◎鹿児島県立石橋記念公園
所在地:鹿児島県鹿児島市浜町1―3
TEL:099―248‐6661
https://ppp.seika-spc.co.jp/ishi/