現場レポート
冠婚葬祭総合展セレモニージャパンのご報告
会場内の一角に設けられた「With コロナ花祭壇企画」エリアのようす(写真は(株)フォーシーズンズのブース)。コロナ禍で求められる供養の在り方を花祭壇で表現していました
第6回エンディング産業展(ENDEX)と第4回メモリアルストーンショー(MSS、当初二回はジャパンストーンショー=JSSとして開催)、第4回宗教用品産業展(以上の3展はTSO International(株)が主催)、そして終活フェスタ2020((社)終活カウンセラー協会が主催)の4つの展示会を合わせた冠婚葬祭総合展「セレモニージャパン」が11月24日から3日間、東京・有明の東京ビッグサイト青海展示棟で開催されました。新型コロナウイルスの影響で、当初の日程に若干の変更があり、また出展・来場を見合わせる業者も多く(後援団体も減少)、3日間の来場者は1万3907人と昨年より大幅に減少しました。
石材及び関連業者は、MSSのゾーンを中心におよそ15社(共同出展者は含まず)が出展(前回は20社弱)。産地関係の出展も少なく、庵治と愛媛(伊予青石)の3社でした。前回はお墓(墓地・墓石)のポータルサイトを運営する出版・IT関係の出展が大きく目立ちましたが、今回は最大手の(株)鎌倉新書と、今年7月に「みんなが選んだ(みん選)」シリーズの終活支援サイトを立ち上げたライフフォワード(株)の2社でした。
葬送関連の出展で特に目立った動きは見られなかったが、スマホの画像で故人を振り返るお参りアプリ『FROM TO』や、バーチャル墓参り((株)ジャコム)、天草での「海洋散骨」宿泊プラン((株)雨龍庵)など、お墓参りに関連した各種サービスが目につきました。
また狭小地・返還墓地・不整形地に特化した「小さな樹木葬」((株)松戸家)のほか、石の加工のみで耐震・耐水性能を確保できる「回転式ホゾ加工」((株)福光石工)、限られた納骨室を有効活用できる四角い骨壺(イオ(株))、故人やペットの遺骨を樹脂と混ぜ合わせた手元供養モニュメント「縁」((有)中山石材店)、自分の死後、指定した人に大切なものやメッセージ(写真や動画、AR)を届けられる「タイムポケット×おくり鳩」((株)エヌケー)など、時代のニーズを読んだ商品やサービスも提案されました。
会場内には、カタログ展示コーナーが設置されており、そこにも石材・関連業者数社のパンフレットが並び、また会期中は終日、終活や供養など冠婚葬祭全般に関する専門セミナーが連日開催されました。お墓に関連するセミナーは少なかったが、自社事業のヒントになるセミナーとして「墓石関連商品を購入する時の『困った』を解決します。プロの目利きがお届けする『プラスダイヤルショー』」「明日への事業の活力は、他社の成功事例から学ぶのが手っ取り早い!!」のほか、「寺院様向け納骨堂セミナー~最新トレンドと事例紹介~」「終活とは~人生100年時代を明るく生きる」「世界280万人がメンバーの追悼プラットフォーム『追悼サイト』とは」(以上、タイトルのみ紹介)などが開催されました。2日目には、「第1回墓デミー賞」(同実行委員会主催)の授賞式も行なわれました。
なお次回セレモニージャパンは、今回と同じ3展合同(終活フェスタを除く)による冠婚葬祭総合展として、およそ半年後の来年6月9日(水)から11日(金)までの3日間の日程で、同じ東京ビッグサイト青海展示棟で開催することが決まっています。
・セレモニージャパン http://ceremonyjapan.jp
・メモリアルストーンショー http://stoneshow.jp
・エンディング産業展 http://www.ifcx.jp
・宗教用品産業展 http://tands-expo.jp
以下は、主な石材及び終活・供養関係の出展者ブース(50音順)です。
イオ(株)
いよせき(株)
(株)雨龍庵
(株)エヌケー
(株)EBiSU
(株)岡谷グラニット
お墓メンテナンス本舗
家樹(株)
(株)鎌倉新書
(有)川本商店
(株)クレア
京王電鉄(株)
(株)亘徳
ジャパンフューネラルフラワー協会
(株)ジャムコム
(社)終活カウンセラー協会
(社)全国石材施工協会
(株)テンマック
(有)中山石材店
(株)ハーフェレジャパン
(株)パイル21
(株)ピコム
(株)福光石工
(社)PRAY for (ONE)
(株)松戸家
増谷石材工業(株)
マーブライト(株)
ライフフォワード(株)
Go to Grave お墓参りに行こう
第1回墓デミー賞の最優秀賞が決定!
お墓参りの写真にエピソードを添えて応募する企画、第1回墓デミー賞(主催=同実行委員会)の授賞式がセレモニージャパンの2日目(25日)、会場内で行なわれ、最優秀賞1点と優秀賞3点、審査員特別賞1点が発表されました。エンディング産業展などによる後援のほか、30以上の企業(個人)が協賛しました。
最優秀賞に選ばれたのは、千葉県在住の森真由美さんの作品「お墓のこと」で、田舎で一人暮らしの母親が認知症になり、これまで母親が守ってきたお墓の憂いを軽くするため、お盆前に墓掃除帰省をするようになったエピソードを紹介したものです。一時は墓じまいすることも考えたそうですが、定年退職した兄の提案で思い出の詰まった実家をリフォームすることになり、その際、お墓の一角に記念碑を建て、母の姉弟とその子供たちの記念品を納めたそうです。
その記念碑お披露目の際に撮った集合写真(写真上)は建立した地元のおおきた石材店(豊岡市)が撮影したもので、親族の皆さんがお墓の前でにこやかな表情を浮かべているのが印象的です。「大切な人たちのお墓があるからこそ、ふるさとを感じ、ふるさとと繋がっていられるのだ…」。写真のエピソードは、最後にそう締めくくられています。
なお、本イベントは、日程等の詳細は未定ですが、第2回の開催も予定しています。公式サイトをご覧ください。
・公式サイト https://www.gotograve.com
墓デミー賞の授賞式でプレゼンターのおおきた石材店(兵庫県豊岡市)から最優秀賞の賞状を受け取る森真由美さん
森さんの受賞作(最優秀賞)