現場レポート

吉村貴子個展―雲根UNKON― 東京・いりや画廊

2021.11.12

現場レポート

株式会社石文社


吉村貴子個展-雲根-会場風景


彫刻家・吉村貴子さんの個展「吉村貴子個展―雲根UNKON―」が2021年11月1日(月)から13日(土)まで、東京・入谷のいりや画廊で開催されています。今回は白みかげ(糠目系)による作品8点とガラス作品多数を展示されていますが、すべての作品が、いりや画廊での個展が決まった約2年前から、画廊の空間にあわせて全体の構成を考え、1点ずつ制作された新作です。

吉村さんの創作テーマは、個展のテーマにもなっている「雲根(うんこん)」です。

「雲ハ石ヨリ生ズルニヨリテ、石ヲ雲根ト云ウゾ」(「中華若木詩抄」)という中国の思想から、「あいまいさ(雲)と確かさ(石)は、いつも背中合わせ。硬くて確かなものがやがては雲のようにやわらかく、軽やかなものになったり、あいまいなもの同士が支え合い、つながって確かなものが生まれたり。一見、正反対のものでも、お互いに共鳴し合うことで生まれるあたたかさを感じてほしい」と、吉村貴子さんは話します。


吉村貴子個展-雲根-作品「それから02」

吉村貴子個展-雲根-上段 左:「うたかた04」/ 右:「うたかた03」
下段 左:「それから03」/  右:「うたかた02」



石は、大理石や黒みかげも好んで使われるそうですが、今回は「風が吹きぬける感じがほしい」と白みかげを使われています。いずれも手磨きで仕上げ、とてもやわらかく、ふわふわとした印象。「近所の子どもたちが遊びに来て、撫でたり、座ったりしてよろこんでくれています(笑)」とうれしそうな吉村さん。実際に作品「うたかた04」に座らせていただきましたが、石とは思えないここちよさにびっくり。手触りもふんわりやわらかく、ずっと撫でていたくなります。ガラスの作品も同様、やわらかであたたかい表情をたたえています。

石の彫刻界では数少ない女性作家として活躍中の吉村さん。お話も楽しく、気さくなお人柄も魅力的! ぜひ、その作品に触れて見てください。


吉村貴子個展-雲根-ガラスの作品も多数発表

吉村貴子個展-雲根-吉村貴子さん



●吉村貴子個展―雲根UNKON―
会期:2021年11月1日(月)~11月13日(土)
時間:11時30分~19時30分
*最終日は16時まで、日曜休廊
会場:いりや画廊
住所:東京都台東区北上野2-30-2
https://www.galleryiriya.com/

◇吉村貴子氏  公式サイト
https://userweb.ejnet.ne.jp/yytakako/