私の街の石造物

茨木市・天正二年銘磨崖仏

2021.03.05

私の街の石造物

射場石利石材株式会社

能勢妙見街道沿いの上音羽にあるこの磨崖仏は、幅約六メートルの自然石の一部を平らにし、上下二段にわけて、計二八体の立像を線刻に近い方法で彫っています。
上段右より円相内に「宗祐」の文字をいれ、その下部に二体の小立像、その左に蓮台をともなう大形の立像が彫られ、像下に「法印」、「宗承」の二行が認められます。
その左に二体の立像、さらに頭光と放光をもつ蓮華台上の立像の左右に一行ずつ割書きで「甲、天正二年、戌、十一月十五日」と刻んでいます。

下段は右に少し離れて四体が枠内に、続いて左に十六体が彫られています。
これらの立像は、いずれも円形の面貌と長方形の体躯の輪郭を彫り、目鼻口と合掌手を表現しています。
市内で唯一の磨崖仏ですが、豊能町の山あいにかけて多数見つかっています。

所在地:大阪府茨木市上音羽