一般研究員によるトピックス!!
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垂水遺跡(山形県)へ行ってきました。
近頃パワースポットとしても注目されている垂水遺跡へ行ってきました。
感染症の拡大で良いことなど何一つありませんが、一人で出掛けても「友達がいない」と悪口(!)を言われることはなくなったかも。慈覚大師円仁が開いたとされる山寺(宝珠山立石寺、天台宗)の登山口から徒歩10分ほどで遺跡の入口に到着です。
まずは鳥居をくぐり、千手院を目指します。
階段を上ると、すぐ線路。仙山線です。
線路を渡って、引き続き参道の階段を登ります。階段で既に疲れ、千手院の写真を撮り忘れました。お墓の脇を通り抜けて山道に入ります。
ゲリラ豪雨が止んで、いつの間にか、蝉時雨。そういえば、芭蕉は立石寺であの有名な一句を詠んだのでした(閑さや岩にしみ入る蝉の声)。
山道を20分ほど上ると・・・おお! 一面に蜂の巣状の無数の穴が開いている岩場が見えてきました。垂水遺跡に到着です。
中尊寺(平泉)や瑞巌寺(松島)など、慈覚大師による開基伝説は各地に残されていますが、立石寺も円仁が開いたとされており、この垂水遺跡は、彼が寺を開く前に修行しながら過ごした場所と言われています。お寺の繁栄のためには偉い人伝説が必要だったのですね。ちなみに慈覚大師の開基中興の寺は東北だけで150余と言われており、天台宗の東北進出と重なります。
山寺地域における信仰は、修行の場から慈覚大師伝説の普及と庶民の納骨信仰拡大といったように変化しながらも、今も脈々と受け継がれ、根づいています。ただ、そういう理屈は抜きにしても、この景観には心を奪われると思います。
山道ですので、ぜひ歩きやすいスタイルで。付近には猿が出没するとの看板も。気をつけてお出掛けください。
山形県山形市山寺4753 ※鳥居脇に5台くらい車を停められるスペースがありました