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小畠宏允先生七回忌法要に参列してきました【鎌倉東慶寺にて】
1月25日、前回の高野山研修でお会いした方にお誘い頂き、鎌倉東慶寺での小畠宏允先生七回忌の法要に参列させていただきました。
小畠宏允先生は、お墓文化研究の第一人者として、著作『お墓入門』や、柳田國男著作の名作を監修リライトされた『新訂 先祖の話』があります。
私は生前お会いしたことはなかったのですが、高野山研修の中で参加者の方々から小畠先生のお話を伺うにつれて、一度墓前にご挨拶を、と思い立った次第です。
※このブログの写真は東慶寺ご住職より撮影と掲載許可を頂き投稿いたします。ありがとうございます。
北鎌倉駅西口から徒歩で5分もかからない所に東慶寺はありました。
東慶寺は、北条時宗夫人・覚山志道尼が開創の臨済宗の寺院です。女人救済の「縁切り寺」としてその名を知られていましたが、今では学者や文人が眠るお墓として有名です。
階段を上がった先に境内があります。
冬の最中ですが、東慶寺の境内では梅の花がつぼみから開花しているところでした。
東慶寺では数年前から「大地の再生」という取組みをされているとのことで、四季折々に変わる風景によって、境内や墓所はいつも気持ち新たに参拝が出来そうな里山になっていました。
その墓所の入口付近の茂みの中に小畠宏允先生墓所が佇んでいました。
「お墓100年プロジェクト」「10人の会」「石文化研究所」など、生前の関係者有志による法要後、参列者が墓前に集まり、献花・合掌をしました。
先生が生前に気に入られていたという中世の五輪塔を元にして、京都のイサ工房さんの手によって作られた、一石五輪塔です。
自然石の風合いが生かされた献花台は苔むしてきています。大地に直接お花を捧げるようなお参りです。
無数のノミの跡と献花された花の組合せ。柔らかで優しいイメージを醸し出しています。
お墓の傍らには石仏が2体並びます。
元からそこに立っていたような自然さです。
手前の石はお参りする際に手荷物を置いたりするのにちょうど良い位置と高さ。
YouTubeにも紹介されている建立当時と比べると、現地の環境にしっとりと馴染み、あたかも何十年も前からそこに佇んでいるかのような雰囲気を感じます。
ここには自然にゆっくり回帰していく時の流れと、祈りの場としての厳かさがありました。
高野山研修の夜、先生に教わった方々から、生前のエピソードを伺いました。
皆さん、先生ととても充実した時間を過ごされたことがよく分かりました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
合掌。
著名な文人のお墓が点在する東慶寺。
小畠先生墓所の近くにも小林秀雄のお墓や、「路上観察学会」「超芸術トマソン」「老人力」で知られた、赤瀬川原平氏のお墓もありました。
彼の著書に感化された平成の美大生は、フィルムカメラを持って町の路上を撮り歩いたものです(私もその一人でした)。
暖かな季節はどんな風景の境内になるのでしょうか。また訪ねて見ようと思います。