特別企画

お墓や石について、さまざまな声をお届けします。

東日本大震災鎮魂と追悼のモニュメント―彫刻家・画家 武藤順九

2021.06.17


武藤順九・東日本大震災鎮魂と追悼のモニュメント制作は2016年に約1年をかけてイタリア・ピエトラサンタの工房で行なった
(写真提供:一般社団法人「風の環」)


武藤順九・東日本大震災鎮魂と追悼のモニュメントモニュメント設置工事(2020年11月)には武藤氏自らが立ち会って細部まで調整した
(写真提供:一般社団法人「風の環」)



生命の尊さ、人間の力強さを伝え、
希望の象徴となることを願う
百年、千年と、半永久的にこのモニュメントはこの地に残されることでしょう。未来の人々に向けて震災の記憶を示すとともに、私があの日ここで出会った双葉のように、生命の尊さ、自然、そして人間の力強さ、すばらしさを伝え、いつの時代にも希望の象徴となることを、心から願っています。

いま、全世界がコロナという未曾有の危機的な事態に直面しています。私自身もう1年半、イタリアに戻らず、いまは京都からアトリエを移した岡山県津山市で制作を続け、また地域と連携して子どもたちを対象とするアート教室「お絵かき寺子屋」なども開催しています。作品づくりはいままでにないくらい充実しています。余計な思いを捨てて、毎日、自分自身の原点に向き合いながら制作できています。

展覧会の企画など、すでに動き始めているプロジェクトが国内外にあり、いま制作中の作品もこれから順次発表し、また世界を驚かせたいですね。皆さん、ぜひともご期待ください。


武藤順九・東日本大震災鎮魂と追悼のモニュメントモニュメント設置時、ステンレス心棒に武藤氏やプロジェクトメンバーもサインを記して思いを込めた
(写真提供:一般社団法人「風の環」)

武藤順九・東日本大震災鎮魂と追悼のモニュメント
武藤順九・東日本大震災鎮魂と追悼のモニュメント2021年3月18日に開催された除幕式には、一般社団法人東日本大震災鎮魂と追悼のモニュメント建立プロジェクトなど関係者や、村井嘉浩宮城県知事、亀山紘石巻市長ら来賓など約100人が出席。武藤順九氏、村井宮城県知事、亀山石巻市長、浅野亨前石巻商工会議所会頭などが除幕のセレモニーに臨んだ。右下は除幕式終了後、モニュメントに寄り添って思いを語る武藤順九氏


「月刊石材」2021年4月号をもとに一部編集
聞き手:「月刊石材」編集部 安田  寛
取材協力:河北新報社


◇公式サイト「武藤順九の宇宙」
https://www.junkyu.jp
◇一般社団法人東日本大震災鎮魂と追悼のモニュメント建立プロジェクト
http://311monument.org
◇武藤順九氏のインタビュー(当サイト内)
「常に新しい感動を求めて石と向かい合う」