特集展示「松居石材商店の歴史」が開催中
10月4日（火）まで、滋賀の彦根城博物館で

　特集展示「松居石材商店の歴史」が10月4日（火）まで、滋賀県彦根市の彦根城博物館で開催されています。

　松居石材商店は、彦根市内に現存する石材店で、初代・松居孫兵衛が江戸時代に北小松（現大津市北部）から彦根に移り、文政12年（1829）に彦根城下で創業したのが始まりとされます。墓石や燈籠、鳥居、石碑など石造物の製造販売を手掛け、彦根の井伊直弼銅像（明治43年建立）の台座や、多賀大社の昭和の大造営といった大きな仕事にも数多く携わりました。

　また、3代目・六三郎は、明治36年に開催された第5回内国勧業博覧会に自作の石造釣燈籠を出品するなどしており、その技術力は高く評価されています。石以外では本格的な土木工事に取り組み、佐和山隧道（大正13年竣工）や、賤ヶ嶽隧道（昭和2年竣工）などのトンネル工事も手掛けています。後者の佐和山隧道は軟らかい地質を掘鑿する難工事でしたが、それも無事完成させました。六三郎は本業以外でも活躍し、後に彦根町会議員となり、地域のために尽力したそうです。

　本展では、同社に伝わる古文書や古写真、石造品などを通して、その歴史を振り返っています。松居氏の遺徳を偲ぶとともに、石工としての心意気をぜひ感じ取ってもらいたい、そんな展示会です。

　詳細等は下記までお問い合わせください。

●特集展示「松居石材商店の歴史」
会期：2022年9月8日～10月4日（火）　※会期中は無休
開館時間：8：30～17：00（入館は16：30まで）
観覧料：一般500円（小中学生250円）　※一部休室期間中は別料金
会場：彦根城博物館
所在地：滋賀県彦根市金亀町1-1
TEL：0749-22-6100
https://hikone-castle-museum.jp/topics/11945.html