現場レポート

「松田文平石彫展 バックボーン Part1」 7月13日まで東京・いりや画廊

2024.07.05

現場レポート

株式会社石文社


松田文平石彫展会場風景



彫刻家・松田文平氏の個展「松田文平石彫展 バックボーン Part1」が2024年7月1日(月)から13日(土)まで、東京・入谷のいりや画廊で開催されています。

松田氏は1959年、富山県生まれ。武蔵野美術大学で学んだ後、ドイツ・ミュンヘン造形美術大学で彫刻を学び(マイスターシューレ)、石の彫刻家として国内外のシンポジウムに参加する他、個展、グループ展などでも長くご活躍中です。

今回の個展のタイトルは「バックボーン」。松田氏が幼少期に父から言われた言葉「人はバックボーンを持たなければいけない!」がいまも耳から離れず、近年は「バックボーン」という題名にこだわって制作されているようです。



松田文平石彫展
松田文平石彫展
松田文平石彫展作品「バックボーン」白みかげ石



また、松田氏はこう語ります。

〈美大生であった頃、石と出会い、石に齧(かじ)り付いてでも作品を造り続けるのだとの思いも、私のバックボーンになっていることは確かである。しかし近年、その思いに疑問が生じている。人は死によって終止符を討たれるのなら清々して良いが、仏教では死後も「阿頼耶識(アラヤシキ)」として未来永久に消えることはないと説かれている。死ぬまでのバックボーンを信じて生きるのか、死後も支えてくれるバックボーンはないものか。このことを考えるのは重要なことである。だから私はそれを形にすべく彫刻をする、というのはあまりにも思い上がったエゴとしか言いようがない〉



松田文平石彫展
松田文平石彫展作品「バックボーン」白みかげ石



今回発表された作品4点のタイトルは、いずれも「バックボーン」。白みかげ石、黒みかげ石による彫刻は、大きくても小さくても、息を飲むような非常な緊迫感に満ちた精緻な造形を呈しています。

そのどこまでもまっすぐな造形に、松田氏の彫刻家としての姿勢、覚悟(バックボーン)を見るようです。



松田文平石彫展作品「バックボーン」黒みかげ石

松田文平石彫展作品「バックボーン」黒みかげ石



なお、松田氏は同じくいりや画廊の企画で、2024年8月23日(金)から10月23日(水)までのなんと2ヵ月にわたって、東京・紀尾井町の東京ガーデンテラス紀尾井町にて個展「バックボーン Part2」を開催する予定です。

ちなみに、会場のいりや画廊は7月1日より新住所へ移転しています。松田氏の個展がまさにこけら落とし。ぜひ会場でご覧ください!


●松田文平石彫展 バックボーン Part1
会期:2024年7月1日(月)~13日(土) *日曜休廊
時間:11時30分~19時 *土曜は17時30分まで / 最終日は16時まで
レセプション:7月5日(金)17時~
作家インタビュー:7月6日(土)15時~17時(聞き手:祐成政徳)

会場:いりや画廊
新住所:東京都台東区入谷2-13-8
(東京メトロ日比谷線「入谷駅」出口1と3より徒歩7分)
https://www.galleryiriya.com/

*いりや画廊は7月1日に新住所へ移転しています。ご来場の際にはご注意ください。

●松田文平石彫展 バックボーン Part2
会期:2024年8月23日(金)〜10月23日(水)
時間:11時〜20時 *最終日は17時まで
入場無料・会期中無休
会場:東京ガーデンテラス紀尾井町(紀尾井タワー2階オフィスエントランス)
https://www.tgt-kioicho.jp/

主催:株式会社西武リアルティソリューションズ
総合企画:いりや画廊