現場レポート
『小泉俊春 石仏展 ― 手のひら仏の佇まい ―』 東京・神楽坂 AYUMI GALLERY
合掌観音菩薩(神奈川県産根府川石、高さ約10㎝)
東京・神楽坂 AYUMI GALLERY
所在地:東京都新宿区矢来町114
小泉俊春さんの個展『小泉俊春 石仏展 ― 手のひら仏の佇まい ―』が5月17日から5月22日まで、東京・神楽坂のAYUMI GALLERYにて開催されました。小泉さんは1890(明治23)年から続く有限会社小泉石材店(埼玉県所沢市)の4代目。1953(昭和28)年生まれで、20代から石材業に携わっています。
小泉俊春さん
石彫作家としての展覧会は、神奈川県藤沢市で昨年開催された『掌の上の石仏たち』に続いて2回目。今回も石工として長年培った技術、感性を生かし、素材である石の美しさを生かした手のひらサイズの石仏を展示しました。
小泉さんの石仏を並べたギャラリーのようす。
「一体くらいはちゃんとつくったものを置いておこうか」
と大日如来坐像を展示した(上、本小松石)
「彫刻展はときどき開催しますけど、石彫は初めて。小泉さんの作品は大好きです。つくり過ぎない自然な感じがいいですね」
こう話すのはAYUMI GALLERYのオーナーである鈴木惇子さん。小泉さんとは50年ほど前に知り合い、それ以来の仲。小泉さんは「このギャラリーでずっと個展をしたかった」といい、今回は晴れて念願が叶いました。
AYUMI GALLERYは、英国のハーフティンバー風の木造建築の1階にある貸ギャラリー。大正後期から昭和初期にかけて英国で建築を学んだ建築家、高橋博(1902‐1991。鈴木さんの父親)によって、自身のアトリエとして戦後間もない1953年に建てられたもので、2011年には登録有形文化財(建造物)に指定されています。
AYUMI GALLERYの外観と、オーナーの鈴木さん(右)と小泉さん
小泉さんの作品とギャラリーとはとてもマッチし、石仏は新作でありながらアンティークな雰囲気も醸し出し、その素晴らしさをより際立たせていました。
●(有)小泉石材店
埼玉県所沢市東町12-10 ブラウンズタワー所沢101
https://www.koizumistone.com/
●AYUMI GALLERY
https://www.ayumi-g.com/