現場レポート
ギャラリーブロッケン「高間泰雄展 蠢く-Pay It Forward-」は5月25日まで!
会場風景(ギャラリーブロッケン)
彫刻家・高間泰雄氏の個展「高間泰雄展 蠢く-Pay It Forward-」が2025年5月25日(日)まで、東京都小金井市のギャラリーブロッケンで開催されています。繊細で丁寧に造形表現された大理石や玄武岩(伊達冠石)などの彫刻作品が14点展観されています。
会場風景
高間氏は1957年熊本県生まれ。79年東京造形大学彫刻科卒業(80年同大学研究科修了)。木が好きで木彫を修得されましたが、八王子を拠点にモニュメント等を幅広く制作する会社に勤めてから石彫を始め、その後、石彫をメインとするデザイン・制作会社の石歩で、彫刻家・大野春夫氏、吉村サカオ氏とともに活動されていました。
これまで故郷・熊本県荒尾市で毎年開催される「荒尾総合美術展」に継続して参加出展するほか、各地で個展開催やグループ展参加などご活躍されています。
作品「蠢く」(以下も同じ)
大理石とガラス
高間氏の創作テーマは「蠢く(うごめく)」。これは20年以上一貫したテーマであり、いまにも石のなかから生命(いのち)が脈々と動き出しそうな作品を生み出しています。その造形はとても緻密で、生命のはかなさと同時に力強さを見事に表現。道具ひとつひとつにこだわって美しく仕上げられた彫刻作品からは、高間氏と石との濃密で、あくなき対話の痕跡が感じられます。
「作品は自分自身。春になると虫などの小さな生命が一斉に蠢き始めるように、自分もしっかりと前へと足を踏み出さなくてはいけない。そんな想いも込めています」と高間氏。
伊達冠石と青石
作品には藍緑色のガラス(積層ガラス)も取り入れていますが、それも「生命の根源を象徴するもの」と高間氏。青く澄んだ美しいガラスは、周囲の風景や陽光により刻々と表情を変え、石の彫刻に彩りを添えています。
開催は5月25日(日)まで。会期修了間近ですが、ぜひ会場で美しい石の表情をご覧ください!
高間泰雄氏
●高間泰雄展 蠢く-Pay It Forward-
会期:2025年5月17日(土)~25日(日)
時間:12時~19時 *最終日は17時まで
会場:ギャラリーブロッケン
住所:東京都小金井市本町3-4-35
https://gallerybrocken.com/
*東京造形大学造形学部美術学科彫刻専攻領域は石文社「月刊石材」2023年9月号掲載の〈石彫の未来へ〉で紹介しています!