現場レポート
東京・北青山のオリエアート・ギャラリー「大島由起子展 ときわはぜ-見定めの法則-」
作品「ときわはぜ」
彫刻家・大島由起子さんの個展「大島由起子展 ときわはぜ-見定めの法則-」が2026年8月24日から9月11日まで東京・北青山のオリエアート・ギャラリーにて開催されました。小松石と砂岩による彫刻10点が発表されました。
大島さんは1999年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業、2001年同大学大学院美術専攻彫刻コース修了。04年に「武蔵野美術大学パリ賞」受賞に伴い渡仏(1年間滞在)。多数の個展の他、「雨引の里と彫刻展」などのグループ展も多数参加、インドやイタリアでの彫刻シンポジウムにも参加されています。現在は広島市立大学芸術学部で後進の指導にも当たられています。
展覧会タイトルの「ときわはぜ」は日本各地の道端や畑で見られる野草で、大島さんとの出会いは大学時代にまでさかのぼるそう。キャンパス内の雑草が生い茂る一角で偶然目にしたときわはぜの小さく控えめに咲く白紫色の花に〈薄く儚い〉印象を受けたといいます。
作品「ときわはぜ」
小松石、W1,300×H350×D1,650ミリ、2026年
しかし、その5ミリほどの小さな花は大島さんの心の奥底に根をおろし、次第に大きな存在へとなりました。何十年の歳月を経て〈頑固で儚い〉ときわはぜは堅牢な石と響き合い、ついに直径1メートルを超える小松石の作品へと昇華しました。
これまで「時」を主題に制作を続けてきた大島さんにとって「ときわはぜ」は時間によって結実した作品であり、彫刻する歓びと開放感が、伸びやかで瑞々しい生命力に満ちた造形に表れています。

作品「HA・ZE・RU」
砂岩、W530×H1,030×D330ミリ、2026年
作品「見えないかたち」シリーズ
いずれも砂岩、2026年
他にも、ゆたかな自然環境のなかで制作する大島さんが日々触れ合う野草や、土中から感じられるまだ見ぬ生命の息吹をモチーフとした石の彫刻作品が展観されました。
なお、大島さんは石文社「月刊石材」2025年11月号掲載「石彫の未来へ~美大・芸大の現場から:広島市立大学編」に同大学・講師としてご協力くださいました。
会場風景
●大島由起子展 ときわはぜ-見定めの法則-
会期:2026年8月24日(月)~9月11日(金) *29日(土)・日曜休廊
時間:10時~18時 *最終日14時まで
会場:オリエアート・ギャラリー
住所:東京都港区北青山2-9-16-1F
https://orie.co.jp/


前の記事


