現場レポート
川越・喜多町弁天長屋の田中毅石彫展へ!(9月19日まで)
会場風景
彫刻家・田中毅さんの個展「田中毅石彫展」が2021年9月9日(木)から19日(日)まで、埼玉県川越市の弁天横丁にある喜多町弁天長屋で開催されています。この喜多町弁天長屋はNPO法人川越蔵の会にて保存・再生・活用プロジェクトが推進され、この夏、息を吹き返したばかり。その1階のギャラリースペースに田中毅さんの多数の彫刻作品と、版画、またトートバッグやTシャツなどのオリジナルグッズが並んで、田中毅さんの作品世界を存分に体感できます。
*コロナ禍でも見る人、触れる人を笑顔に、元気にしてくれる作品をつくり続ける田中毅さんのインタビューはこちらから!
https://stone-c.net/report/4985
作品『六地蔵』
田中毅さんは1951年宮崎県生まれ。虫のような、動物のような、妖精のような、はたまたもしかすると田中さんご自身のような作品が大人気で、毎年、多数の個展・グループ展などで活躍されている作家です。
今回は新型コロナウイルスの感染症拡大のために中止になった5月の千駄ヶ谷ギャラリーに出品予定だった作品も含め、いずれも田中さんらしい、ついつい撫でたくなるような作品が多数揃いました。歴史ある弁天横丁の味わいある雰囲気、再生した喜多町弁天長屋の内装ともぴったりで、来場した方も「ここは田中さんのための展示空間といえるほど、作品世界に合っているね」と話されていました。
作品『十二支』と版画
作品『くらげ』シリーズと版画
田中毅さん
弁天横丁にある喜多町弁天長屋
《喜多町弁天長屋のある弁天横丁はその昔、「芸者横丁」とも呼ばれ、明治26年の川越大火で被災。この建物は明治35年の書籍に掲載されている「埼玉縣重要物産陳列所」であった可能性が高いと考えられていますが、詳細は不明です。建物は昭和期に大きく増築され、内装も新建材を使って改修されていましたが、NPO法人川越蔵の会のプロジェクトでは、下屋の瓦屋根の痛めていた増築部分を取り除き、建築当初の形に戻すよう瓦屋根を復原し、雨漏り箇所の特定と対策を施し、内装ではできるだけ新建材を取り除き、自然素材で仕上げることを基本方針としました。また、路地沿いのブロック塀を取り除き、開放的になるよう改修。新たに設けた土間の空間が、入居者相互、入居者と地域の方々との交流の場となるようつくられています(参考:喜多町弁天長屋パンフレット)》
なお、川越市在住で市内にアトリエもある田中毅さんの作品は、蔵づくりの町並みが残る市内各所に設置されています。町歩きで作品をめぐるのも楽しいですね!(川越市美術館発行の「つよしさんの彫刻作品マップ」が個展会場で配布されています)
「つよしさんの彫刻作品マップ」と作品『うんとんちゃん』
(1995年、黒みかげ、うんとん処・春夏秋冬)
●田中毅石彫展
会期:2021年9月9日(木)~9月19日(日)
時間:12時~18時
会場:喜多町弁天長屋
住所:埼玉県川越市喜多町2-1
主催:NPO法人川越蔵の会
https://kuranokai.org/wp/
*会期中14時以降は田中毅さん在廊予定です!
◇田中毅さんインタビュー(サイト内)
https://stone-c.net/report/4985