現場レポート
ノルウェージャンローズなどの美しい彫刻。東京・銀座、吉井画廊での「絹谷幸太展」
会場風景
彫刻家・絹谷幸太氏の個展「絹谷幸太展」が2023年12月4日から16日まで、東京・銀座の吉井画廊で開催されました。毎年、各地で個展等の展覧会が開催されて活躍中の絹谷氏。今回はノルウェージャンローズ(大理石)などによる彫刻作品の新作・近作が多数発表されました。
絹谷氏は1973年、東京生まれ。日本大学芸術学部、東京藝術大学大学院美術研究科、サンパウロ大学大学院で学び、国内外で個展・グループ展多数、パブリックコレクションも多数の彫刻家です。作品に使用する石について地質学者に学んだり、産地・採石業者に話を聞くなど、その石の歴史、特性、地域での役割などまでも把握して、「どうしたら石が生きるか」を、石の声を聴きながら制作されています。
作品「INFINITY ARC-無限の弧-」
大理石、六方石
作品「ARC-b3305727036」
壁掛けは作品「Sparkling stone」シリーズ
ようやくコロナ禍も落ち着いてきたいま、絹谷氏がノルウェージャンローズを選んだのは、この石の生成の歴史と、地球におけるウイルスの出現・伝播とが深い関係性を持つからだそうで、その名のとおり、マーブル模様のようなバラ色を呈する明るい表情の大理石が空に向かって開く美しい彫刻は、人類がこのままコロナウイルスを克服し、生命の喜びに満ちることを祝福しているかのようにも感じられました。ただ一方では世界各地の戦禍にも思いを馳せ、明るい平和の象徴としてのメッセージも込められているはずで、台座の六方石が大地・地球の力強さを感じさせます。
左:作品「ARC-0921861173
右:作品「ARC-3105118548」
大理石、六方石
作品「Sparkling stone-009」
大理石
上:作品「Sparkling stone-010」
下左:作品「Sparkling stone-006」
下右:作品「Sparkling stone-007」
大理石
ご婦人に丁寧に応対する絹谷氏
ますます精力的に創作活動を展開する絹谷氏。今後の活躍も楽しみですね!
・絹谷幸太公式ウェブサイト
https://kotakinutani.com/
・絹谷幸太氏インタビュー記事(サイト内)
https://stone-c.net/report/4406