博物館で出合った小石たち。今はこの世に存在していない知らない誰かの「思い」が、時空を超えて私たちに響きます。昔も今も変わらぬ人々の願いがそこにはありました。

この石は、その人がこの世にたしかに存在していたという証でもあります。石は人間が生きられる時間を軽々と超え、人々の思いや願いを後世にまで伝えてくれます。

故郷へ帰省した折、帰り際に母がそっとピンクの石のブレスレットを腕にはめてくれたことがありました。長距離を運転して帰るという娘の身を案じてのこと。いつの時代も人は石に思いを込めるようです。

地球と同じ46億年の歴史を持つ石。ストーンサークルや一石経をはじめ、石への信仰は非常に古くからありますが、多くの素材の中から、私たちはなぜ石を選ぶのでしょう。パワーストーンの店がいつも賑わっているのは何故でしょう。いつも誰かの思いを受け止めている石という素材。石のエネルギー、石の不思議に、いつも心揺さぶられています。

※写真は天理参考館の展示より。筆者撮影

天理大学付属天理参考館
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