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大谷(おおや)寺を訪ねる(栃木県宇都宮市)

2021.02.06

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本堂の裏手にそびえる大きな岩山。この景観にただただ圧倒されました。岩肌のそこここに仏さまや五輪塔が彫られ、この場所が長い間人々の信仰を支えてきたことを示しています。

 

ご本尊は、高さ4メートルの千手観音。810年弘法大師の作と伝えられています(バ―ミヤン石仏との共通点から、実際はアフガニスタンの僧侶の手によるという研究も)。ご本尊の他にも、釈迦三尊、薬師三尊、阿弥陀三尊が岩に刻まれ、これら大谷寺の石仏群は、1961年、国の重要文化財に指定されています。

中は撮影ができないため、リーフレットのPDFです(こちらから)

 

「青」が付く地名は古い時代から葬地である場合が多く、「青」が転訛(本来の発音がなまって変わること)した音を持つ青山、大山、青島、大島、青谷といった名を持つ土地も同様です。そして、もしかしたら、ここ「大谷(おおや)」もそうなのかもしれません。

寺の境内は遺跡でもあり、摩崖仏の防災工事の際、縄文人骨がお堂の下に埋葬されているのが発見されています。ここは縄文時代から現代にまで続く「聖地」だったのです。

 

◆ 大谷寺    〒321-0345  栃木県宇都宮市大谷町1198 TEL028-652-0128