「いい石」をつくる石工たち

本サイトにおける「いい石」とは、日本の石を素材として、日本の石工さんが心を込めてつくった石製品のことです。

石工:小泉俊春(小泉石材店、埼玉県所沢市)

 



個性を出し過ぎてはダメ。できるだけ個性を出さないように

 
 小泉俊春さんは、埼玉県所沢市にある(有)小泉石材店の四代目として石材業を営んでいます。1953年生まれで、その豊かな経験と技術をもとに独自の作品を生み出しています。

 小泉さんはこう話します。

「個性を出し過ぎてはダメだと思っています。結果的に人が見ると個性が出ている。それでいいのではないかなと。つくり過ぎないこと。作為的につくると嫌味に見える場合も多いので、できるだけ個性を出さないようにしています」


小泉石材店に置かれている石仏の数々(一部)


 20代から石材業に携わる小泉さんは、石都・岡崎での一年間の修業経験があります。「家業を継ぐにあたって他人の飯を食べてこようという思いからだった」と振り返り、その修業期間に舟形地蔵や狛犬などの制作を経験しました。この経験が彫刻センスを育み、現在の作品に活かされています。


奈良で見た頭塔に感銘。その技術を自身の作品にも取り入れる

 
 小泉石材店は代々、墓石販売を主としていますが、二代目、三代目が制作したお地蔵様やキツネなどが残っており、「小さいながらもよくできている」と小泉さん。若い頃から各地の石造物を見て回り、特に奈良で見た頭塔(ずとう)に感銘を受けました。「これだけの薄肉彫りで表現できるのか」と感動し、その技術を自身の作品にも取り入れています。


工房には、100以上の石仏が並ぶ。道具や原石も、さまざま置かれている


 小泉さんの工房は自宅前にあり、そこには多くの石仏が並んでいます。エアチッパーで形を整えた後、突きノミで慎重に表情を仕上げる手法を取っており、「サンダーなどの回転する道具を使うと石の良さが失われる」と考え手作業にこだわります。


石仏は、素朴で温かみのある表情が特徴

 
 石仏に対する小泉さんのこだわりは強く、「石仏を身近なところに置きたい、置いてもらいたい」という思いから、手のひらサイズの作品を多く手がけています。その石仏は、素朴で温かみのある表情が特徴であり、「個性を出さない。つくり過ぎない」という信念が作品に表れています。


合掌観音菩薩(神奈川県産根府川石、高さ約10㎝)


一生涯、石工でありたい

 
 高い技術とセンスを持つ小泉俊春さんの作品は、自然体でありながらもそのなかに深い個性が感じられ、多くの人々に感動を与えています。これまでに個展『小泉俊春 石仏展 ― 手のひら仏の佇まい ―』なども開催してきました。

 見る者の心に深い印象を残し、その温かみのある表情が多くの人々に愛されています。小泉さんは、「一生涯、石工でありたい」という思いを胸に、これからも石仏づくりに励み続けるでしょう。

工房で石仏を彫る小泉さん(撮影時だけ、マスクを未着用)

 

基本情報

小泉俊春

埼玉県所沢市東町12-10 ブラウンズタワー所沢101

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