いしずえ

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新素材研究所「立礼茶室 うちはそと」

2020.11.11

建築・造園・石垣



立礼茶室 うちはそと
Tea Room  Uchiwasoto
2015年
東京都内・個人邸

新素材研究所 / 杉本博司+榊田倫之

閑静な住宅街に建つ集合住宅内に、こんなすてきな空間が広がっているなんて、一体誰が想像できるだろう。今回はこの茶室の作者、現代美術作家・杉本博司の言葉を引用したい。

立礼の茶室。窓の外の景色は都内とは思えないほど緑ゆたかで、右手奥の窓からは上写真の蹲踞が見える。蹲踞は石製護摩壇(南北朝時代)の転用


「超高齢化社会の到来によって、足腰膝は三位一体となって直撃を受けまする。茶の湯の伝燈を新しき時代に引き継ぐため、そしてまた海外からのお客様への対応等に鑑みまして、新考案“立礼茶室 うちはそと”を設えた次第でございます。

茶室には欠かすことのできない露地の半室内化を謀(はか)ることによって、内と外との境界を曖昧なものとする、内に入ると外のようであることからの命名でございます。芸術とは内なる自我の外への発露であり、その逆もまた真である。主客の問題は永遠の哲学的命題であり、また茶の湯の要諦でもございます。

内と外との曖昧な領域、惚け老人の心境をご高覧下さい」


室内外の露地の敷石は真黒石と古石材による
水を打った石肌が美しい


石仏(藤原時代)

一石五輪塔(国東半島、鎌倉時代)

All photos: (c) Hiroshi Sugimoto / Courtesy of New Material Research Laboratory


*「月刊石材」2019年9月号より転載
内容は同号掲載当時のものです


◇立礼茶室 うちはそと
用途:茶室(個人邸)
所在地:東京都内
完成:2015年
延床面積:176㎡
施工:イシマル
使用石材:真黒石、鞍馬石、丹波石

株式会社新素材研究所
https://shinsoken.jp