現場レポート
武藤順九 JUNKYU MUTO -河北文化賞受賞記念-展 10月20日まで東京・銀座の永井画廊で開催中!
会場風景
彫刻家・画家の武藤順九氏の個展「武藤順九 JUNKYU MUTO ―河北文化賞受賞記念-展」が2022年10月4日(火)から20日(木)まで、東京・銀座の永井画廊で開催されています。大理石などの彫刻作品、武藤氏独自の表現である石に絵を描く石彩(せきさい)作品、絵画作品(ネオフレスコ)、墨絵作品など、計29点が展示されています。会場に一歩入ると、まるでそこが宇宙空間であるような不思議な感覚を覚えます。
武藤順九氏は1950年、宮城県生まれ。73年に東京藝大を卒業するとヨーロッパへと渡り、イタリア・ピエトラサンタで大理石の採石場に大きな感動を覚え、75年にローマにアトリエを構えて、石の彫刻を本格的に始めます。「月刊石材」2019年7月号の巻頭インタビューでは、「私にとって大理石は、時空を超えて出会える生命体」といい、また「常に新しい感動を求めて石と向かい合う」と語っています。
〈参考〉武藤順九氏インタビュー(当サイト内)
・「常に新しい感動を求めて石と向かい合う」
・東日本大震災鎮魂と追悼のモニュメント
会場風景
その作品は世界で高く評価され、これまでローマ法王公邸(2000年、バチカン)、仏教発祥の地ブッダガヤ(2006年、インド)、ネイティブ・アメリカンの聖地ワイオミング州デビルズタワーナショナルモニュメント(2008年、アメリカ合衆国)など、世界各地に彫刻作品を永久設置。2019年には「昭島・昭和の森 武藤順九彫刻園」開園(東京都昭島市)、2020年に宮城県石巻市の石巻南浜津波復興祈念公園に「東日本大震災鎮魂と追悼のモニュメント」を設置(2021年3月に除幕)されています。『生命(いのち)』をテーマに生まれるその作品は、時代を超え、民族・宗教・思想を超えて、世界各地の聖地や慰霊空間に設置されています。
今回は河北文化賞芸術部門受賞(2020年1月発表)を記念する展覧会で、これまでに2度、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で延期されていました。まさに待望の展覧会で、彫刻作品は実際に世界の聖地(バチカン、インド・ブッダガヤ、アメリカ・デビルズタワー、また宮城県石巻市等)に設置された彫刻モニュメントのマケットを一堂に会しています。
ここでは、それら作品の一部をご紹介します。
なお、新たに国内外の聖地への作品設置プロジェクトが進行中の武藤順九氏。現在は準備段階で詳細を公表できませんが、作品設置の際には、ぜひご紹介したいと思います!
彫刻「風の環 -二つの世界-」
左:彫刻「風の環2008 -デビルズタワーモニュメント-」
右:彫刻「風の環 -絆-(3.11慰霊モニュメント)」
左:彫刻「風の環 -絆-」
右:彫刻「男と女」
彫刻「風の環 -和-」
石彩「太古の刻」
石の内部に化石(fossile)が多数含まれている
左:石彩「記憶のかけら」
右:石彩「04-72 記憶のかけら」
左:絵画「光のタワー ―デビルズタワーの思い出-」
中:絵画「シリーズ『記憶の壁』-誕生-」
右:絵画「光と陰」
武藤順九氏
●武藤順九 JUNKYU MUTO
―河北文化賞受賞記念-展
会期:2022年10月4日(火)~20日(木)
時間:10時~18時
*日曜・祝日休廊
会場:永井画廊
住所:東京都中央区銀座8-6-25 河北新報ビル5F
https://www.nagai-garou.com/
◇特別企画「彫刻家・画家 武藤順九」(サイト内)
https://stone-c.net/report/4542
(リンク先にインタビュー等を収録しています)