特別企画

お墓や石について、さまざまな声をお届けします。

癒しの空間として、作品は道祖神みたいにどんどん置きたい―彫刻家 田中毅

2021.09.16

毎朝必ずイメージを描き出す
――いつも作品を拝見して思うんですが、どうしたらこれだけのイメージ、カタチが浮かぶのかなって。
田中 それがいつも困ってることで、次はもうつくるものがなくなるんじゃないかと。

だから、10年くらい前から(*2016年当時)、毎朝、なにか必ずイメージを描くようにしてるんです。朝は5時ごろに起きて、朝食を済ませて、弁当つくったりして、それからクロッキー帳を開いてなにかを描く。特にじっと考えるわけではなく、そのときに浮かんだり、夢に出て来たものなんかを描いておくんです。1つだけのときもあれば、3つ、4つ描くときもあって、イメージがはっきりしているものは、最初からオモテもウラも描きます。

それでここに来て、そのイメージを彫るんです。ノートは家に置いてあるから、携帯電話で写真を撮っておいたりして、ほとんどそのまま彫ります。最初に荒取りをしますが、その時点でイメージが決まってないと、荒取りもできない。だから、彫るときはほとんど描いたイメージのままという感じです。

彫刻家・田中毅田中毅さんが毎朝の日課として頭に浮かんだイメージを描きとめているクロッキー帳をちょっと拝見。アイデアがいっぱい!


彫刻家・田中毅静岡県三島市のGALLERYエクリュの森で2021年4月20日から28日まで開催された「田中毅石彫展Ⅸ」。黒みかげをメインに大理石などによる新作・近作が多数展示され、コロナ禍においてリモート鑑賞も行なわれた

彫刻家・田中毅作品「つよむし」/ 作品「よわむし」
黒みかげ

彫刻家・田中毅作品「太陽の子(日向太)」/ 作品「ちゃわん虫」
黒みかげ

彫刻家・田中毅作品「出会い」/ 作品「ウィンクス」
黒みかげ