いしずえ

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第29回「全優石想いを込めたお墓づくりコンテスト」結果発表!!

2023.07.13

お墓・石塔

 

全優石お墓づくりコンテスト受賞作が決定!
大賞は、古くから家族を見守ってくれた「石灯籠型のお墓」(大阪府富田林市、入江英子さん)

 第29回「全優石想いを込めたお墓づくりコンテスト」の結果が発表されました。全国の優良石材店で組織する一般社団法人全国優良石材店の会(全優石、吉田岳会長)が実施したもので、新しいデザインや個性・オリジナル性の高いお墓など、特別な想いを込めたお墓の写真を全国から公募したところ、今回は25名の応募があり、その中から審査の上、大賞1名、特別賞2名、入賞9名が決定しました。

 大賞に選ばれたのは、大阪府富田林市の入江英子さん(77歳)の石灯籠型のお墓(写真上、全優石提供)です。入江さんは、転勤族だった夫の実家に帰って約40年近く過ごしていましたが、大病を機にお墓づくりを決意。家族と相談し、昔話に出てくるような茅葺き屋根の民家のかたちをした石灯籠(「草屋」といいます)をお墓にリメイクすることを思いつきます。かつて暗い足元を照らしてくれた庭灯籠は、楽しかった時も、大変だった時も、庭から静かに家族を見守り、気の晴れない日に横を通れば、何故かほっこりと心を和ませてくれる存在だったそうです。

 
 入江さんは「大決断ではじめたお墓づくり。悩んで、ドキドキして、ホッとして……、家族みんながこんなにワクワクするイベントになるとは思いもよりませんでした」とコメントされています。

 特別賞の一人は、静岡県沼津市の榊原 亮さん(45歳)の現代風五輪塔型のお墓です。榊原さん家族は親子2代で石材店に勤務されていて、ある日、石材業を40年以上勤め、20数年前に退職した父親に呼び出され、五輪塔の図面を見せられます。それはかつて亮さんがデザインしたもので、平安時代から先祖供養のお墓として建てられてきた「五輪塔」を今風にアレンジしたものでした。父親から「この五輪塔はとてもいい。これを原型に我が家のお墓を作ろう」と提案を受け、完成させたそうです。


 そしてお墓を建立した記念に「想刻式」というオリジナルの儀式を行ないました。「地球の恵みである石。人間の命と比べると計り知れない時間をかけて作られた石に敬意と想いを込め、年齢の数だけお墓に打刻する」というもので、亮さんの息子さんが近くの海岸で拾った石ころで、参加者全員が「トントン」「コツコツ」「タンタン」と、それぞれの年齢の数だけ五輪塔を打ちました。「親子2代のお墓のプロが行きついた究極のお墓」(全優石)となりました。

 もう一人の特別賞は、静岡県藤枝市の渡邊尚子さん(55歳)は、亡き母が長年住んだ家の写真を彫り込んだお墓です。石塔は「和」をイメージした丸形で、お墓の一部に腰掛けられるようにしました。お墓に腰かけることに最初は抵抗があったそうですが、次第に抵抗感はなくなり、今ではむしろ「ほっとー息」できるようになったそうです。


 また亡き母と縁のあった多くの方に来てほしいと考え、お墓の一部に自宅の写真が彫刻されています。「母が長年住んだ家の姿とあわせて、母とその方との思いを一つでもつないでくれたらうれしい」と渡邊はコメントされています。

 これらの(入賞9名を含む)作品は、同会のホームページでも公開されています。

 本コンテストを主催した全優石は「入賞者の多くは、家族一丸となってお墓づくりに取り組んだことを、何物にも代えがたい貴重な体験として語ってくれました。また、お慕は生きている私たちのためにある場所だと感じるという意見も多く寄せられています。これらの数多くのお墓づくりエピソードが、これから新たなお墓を建立される方々にいい意味での刺激となり、参考となることを期待します」と述べています。

◎第29回「全優石想いを込めたお墓づくりコンテスト」の結果
https://www.zenyuseki.or.jp/design_contest/