日本の石

日本産の主な石を紹介します(現在、採掘されていない石も含みます)。

北海道・東北

北海道

  • 札幌軟石(さっぽろなんせき)―凝灰岩

    札幌市南区で採石されている凝灰岩で、灰色がかった土色。乾くと灰色になり、加工性が良く、耐寒性、耐熱性にも優れていますが、湿気に弱いという難点もあります。主に建築用石材です。50年くらい前には墓石関連にも使用しました。現在も採石されています。

岩手県

  • 姫神小桜石(ひめかみこざくらいし)―花崗岩

    盛岡市玉山地区にある姫神山麓で採石されている淡い桜色の花崗岩。墓石材や記念碑、彫刻材等で広く使用されています。

    姫神みかげ

    姫神小桜石採掘場(2004年撮影)

  • 室根石(むろねいし)―閃緑岩

    一関市室根町で採石されている閃緑岩。玉石群が露出し帯状に埋蔵しています。グレーの色で玉石の形の墓石や河川の護岸等の環境石材として使用されています。

宮城県

  • 吾妻みかげ(あづまみかげ)―花崗岩

    伊具郡丸森町の川島地区で採石されている花崗岩。墓石材として、中目、細目、中細目があり、高級墓石材として評価されています。墓石以外に土木用材等として使われています。

  • 稲井石(いないいし)―粘板岩

    石巻市稲井で採石されている粘板岩。記念碑用材として各地で使用されていた黒石です。墓石に使用されたり、薄く割れるので建築用にも屋根を葺く等、幅広く使用されていた石です。

  • 井内石(いないいし)―粘板岩

    石巻市井内で採石されている粘板岩で、稲井石とほとんど同じです。最近では東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事(2012年完了)で使用されたので有名になりました。

  • 大内黒石(おおうちくろいし)―花崗閃緑岩

    伊具郡丸森町大内で昭和50年頃まで採石されていた石です。色はグレーの少し濃い色で、色目も細く、高級墓石材として四国の庵治石と同じくらいの原石価格で販売されていました。

  • 玄昌石(げんしょうせき)―粘板岩

    石巻市雄勝町で採石されている粘板岩。薄く割れるのを特徴とし、5㎜とか1㎝の厚みで方形タイルとして建築用材として広く使用されています。

  • 伊達青糠目石(だてあおぬかめいし)―花崗岩

    伊具郡丸森町で採石されている花崗岩。青味がかった上品な色で「斑」の出る石もあります。近くの磐梯みかげと似ています。

  • 伊達冠石(だてかんむりいし)―安山岩

    伊具郡丸森町と白石市にまたがる大張地区で採石されている安山岩。表層面(皮面)は、焼き肌を感じさせる黄土色で、内部は灰黒色の色調を持つことが特徴です。自然石の形でお墓やモニュメントとして使われ、修景材、石彫刻などにも使われています。この石は昭和の時代は通称「大蔵石」または「泥がぶり石」と呼ばれていました。

    伊達冠石

    伊達冠石採掘場(写真提供:大蔵山スタジオ株式会社)
    ◎大蔵山スタジオ株式会社 
    https://okurayamastudio.com/

  • 磐梯みかげ(ばんだいみかげ)―花崗岩

    吾妻みかげの採石場から数百メートル離れている川島地区で採石されている花崗岩。青みの濃い繊細で美しい石質が特徴です。

  • まさむねの御影(まさむねのみかげ)―花崗岩

    伊具郡丸森町で採石されている花崗岩で、近くの磐梯みかげと似ています。

秋田県

  • 男鹿石(おがいし)―安山岩

    男鹿半島の中央に位置する寒風山(男鹿市脇本)で採石されている安山岩。主に造園や土木、墓石材として使用されています。加工しやすく堅牢で耐熱性もあります。

    男鹿石

    男鹿石採掘場(2005年撮影)

  • 十和田石(とわだいし)―凝灰岩

    大館市比内地区で採石されている凝灰岩。石質は堅牢で、グリーンとブルーの混ざり合ったソフトな色彩が特徴です。水に濡れるときれいなグリーン系になり、風呂場などに多く使われています。

山形県

  • 中川石(なかがわいし)―凝灰岩

    山形市内で採石されていました。石蔵や塀に使用されていました。

  • 山寺石(やまでらいし)―凝灰岩

    山形市山寺にて昔、採石されていました。

福島県

  • 青葉石(あおばいし)―花崗岩

    相馬郡飯舘村南部にある戦山地区で採石されている花崗岩。青みを帯びた美しい色調を特徴としています。ツヤ持ちや角持ちにも優れており、中目と小目の2種類あります。2011年に採石を中止しました。

    青葉石

    青葉石採掘場(2001年撮影)

  • あだたら御影(あだたらみかげ)―花崗岩

    本宮市稲沢で採石されている花崗岩で、深い青系の中細目の石です。耐久性に優れており、細やかで均一な模様が特徴で、墓石やモニュメントなどに使用されています。

    あだたら御影
    あだたら御影採掘場(2020年撮影)
    ◎株式会社フクイシ 
    https://www.fukuishi.jp/

  • 浮金石(うきがねいし)―斑れい岩

    田村市小野町の黒石山で採石されている斑れい岩。黒色の中に金粉が浮いて見える特徴があり、国内産出の貴重な「黒みかげ」です。きめ細かく堅牢な石質ですが、加工性が良いという特徴もあります。

    ◎株式会社フクイシ 
    https://www.fukuishi.jp/

  • 江持石(えもちいし)―安山岩

    須賀川市江持で採石されている安山岩。地元ではお墓に使用され、加工性が良く、多方面に使用しています。

  • 大倉みかげ(おおくらみかげ)―花崗岩

    須賀川市小倉で採石されている石目が安定し整っている花崗岩。大材も採れ、墓石や建築等で使用されています。

  • 紀山石(きざんせき)―花崗岩

    いわき市三和町で採石されている花崗岩。均一な細目の石目を特徴とし、関西方面を中心に主に西日本で墓石材として使用されています。

    ◎山岡石材店株式会社 
    https://www.yamaoka-sekizai.co.jp/lp/kizanseki.html

  • 芝山石(しばやまいし)―花崗岩

    芝山自然公園の一角で採石されている花崗岩。吸水率が低く、高硬度の石質で、主に墓石材として使用されています。いわき市芝山にて採石されています。

    芝山石

    芝山石採掘場(2004年撮影)

  • 十万石青みかげ(じゅうまんごくあおみかげ)―花崗岩

    田村郡小野町で採石されている花崗岩。細目で青味のある落ち着いた石目が特徴で、墓石をはじめ建築、土木材にと用途は幅広く使用されています。2019年に採石を中止しました。

  • 白河石(しらかわいし)―安山岩

    白河市近辺で採石されている安山岩。石質の硬い黒目と比較的やわらかい白目の2種類があります。主に建築材として使用されているほか、墓石や外柵、石蔵などにも使用されています。

    白河石

    白河石採掘場(2020年撮影)
    ◎株式会社白井石材 
    http://www.shirai-ishi.com/

  • 滝根みかげ(たきねみかげ)―花崗岩

    双葉郡川内村で採石されている中目系の花崗岩。主に墓石や外柵に使われていますが、環境用石材などにも使用されています。花崗岩の中でも特に圧縮強度が高く、サビにくく、福島県最大の埋蔵量を誇ります。

    滝根みかげ

    滝根みかげ採掘場(2018年撮影)
    ◎株式会社イシフク 
    https://e-ishifuku.co.jp/

  • 中山石(なかやまいし)―斑れい岩

    田村市船引町で採石されている斑れい岩。石目が整っており、高硬度、低吸水率の黒系石種。黒手・白手という2つの色合いを持っており、墓石、建築材などに使用されています。

    中山石

    中山石採掘場(2002年撮影)

  • 花塚みかげ(はなつかみかげ)―花崗岩

    相馬郡飯舘村の花塚山で採石されていました。墓石や外柵以外に堰堤用材としても使用されています。2018年に採石を終了しました。

    花塚みかげ

    花塚みかげ採掘場(2005年撮影)

  • 東山みかげ(ひがしやまみかげ)―花崗岩

    須賀川市東山で採石されている花崗岩。石目が整っており、キズやムラの少ない美しい石材。主に外柵材、墓石材として使用されていますが、現在は砂と砂利の生産を主としています。

    東山みかげ

    東山みかげ採掘場(2006年)

  • 都石(みやこいし)―花崗岩

    田村市都路町で採石されているムラや帯・サビの少ない花崗岩。クセのない穏やかな石目で、石質もよく変色しにくいことも特徴。成材率も良く、墓石、外柵、記念碑等で使用されています。

  • 深山ふぶき(みやまふぶき)―花崗岩

    田村市船引町で採石されている花崗岩。濃いグレー色で、雪が舞うような模様が独特の風合いを持っている石材です。墓石や外柵のほかに、環境石材としても使用されています。

    深山ふぶき

    深山ふぶき採掘場(2001年撮影)
    ◎株式会社フクイシ 
    https://www.fukuishi.jp/