いしずえ
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新素材研究所「Badou-R本店」
Badou-R本店
45R(フォーティファイブ・アール)
2019年
東京・南青山
新素材研究所 / 杉本博司+榊田倫之
表参道を青山方面に向かうと、根津美術館に突き当たる。そこを左へ進むと現在「カルティエ、時の結晶」(会期終了:2019年10月2日~12月16日、新素材研究所が会場構成を担当)を開催している国立新美術館へたどり着くが、根津美術館に沿って右へ歩を進めると、閑静な通り沿いに、藍・インディゴなどの素材にこだわるファッションブランド「45R」のショップ・Badou-R本店が佇む。新素材研究所が内装を手掛けて、2019年5月にリニューアルした。
床は全面、京都の町屋の敷石(古材)を四半張りする。年月の経過とともに色味を増した石がぬくもりをあたえる。上写真の巨石は滝根石で、いずれの石も表面加工を抑えて、石本来の表情を生かす
自然石(相木石)の石積みと木の格子による外観が落ち着き、高級感、安心感を表現する。店内に入ると、茶・橙・灰色と程よく色味を増した京都の町屋の敷石古材を四半敷きする床がぬくもりをあたえる。そして無骨すぎるほど唐突に来店者を迎える滝根石の巨石。いずれの石も本来の表情で空間を彩り、それは素材・縫製・仕様など着心地を重視し、本物志向の服づくりを追求する45Rの姿勢を象徴するようだ。
なお、新素材研究所は同じ45Rの丸の内店(2018年)も手掛けている。
相木石の自然石を積んだ石壁と
木の格子が日本的な風情を醸す
露地の景色
相木石、木、瓦、ガラスで構成する空間
外界と店舗内部をほどよくつなぐ
photos: koichi torimura
*「月刊石材」2019年11月号より転載
内容は同号掲載当時のものです
◇Badou-R本店
用途:店舗(内装)
所在地:東京都港区南青山6丁目5-36
完成:2019年
延床面積:217.9㎡
施工:イシマル
使用石材:
踏込石=江州石2石(赤白)
露地石積=相木石野面積み
内部床=町屋石四半敷き
内部巨石(立ててるもの)=滝根石
株式会社新素材研究所
https://shinsoken.jp