いしずえ

お墓や石に関するさまざまな注目情報を発信します。

上皇上皇后両陛下・行幸啓記念碑を帆船日本丸保存活用推進委員会が建立しました。石工事は株式会社石半(横浜市戸塚区)

2020.12.18

その他

 帆船日本丸保存活用推進委員会(上野孝委員長=横浜商工会議所会頭)が2020年4月末、上皇上皇后両陛下 行幸啓記念碑(幅3,000×奥行1,500×高さ1,550ミリ)を、横浜市西区にある日本丸メモリアルパーク内に建立しました。 行幸啓とは、「 天皇・皇后がご一緒に外出されること」で、今回の記念碑は、天皇皇后両陛下(当時)が平成29年7月17日(海の日)に帆船日本丸などをお訪ねになり、ボランティアらを激励されたことを後世に伝えるために建立されました。

 記念碑の石工事を担当したのは横浜市戸塚区にある株式会社石半(縄嶋周治社長)です。 地元の石材業者であり、横浜港湾労働者慰霊碑供養塔(昭和49年)、横浜開港150周年記念碑「たね丸」(平成23年)などの施工実績が評価されてのことです。
 縄嶋社長は、「記念碑の話が最初にあったのは今年の1月末。 すでに新型コロナウイルスの影響が出始めていましたので、納期に間に合うか心配でしたが、皆さまのご協力で無事に仕事を終えることができました。皆さまには、本当に感謝をしております」と話しています。
 記念碑を建立するにあたっては、同委員会、横浜市、宮内庁、三菱地所株式会社(設計)などと、幾度となく打ち合わせを行ない、 新型コロナによる国の「緊急事態宣言」の最中のことで、これまで以上に気を使いながらのことでした。

 記念碑は3基からなり、メインの石碑に上皇后さまの御歌「うみ風を 求め旅行く 若きらを 帆船は待つ 月の港に」を刻んだ。この御歌は、上皇后さまが胸踊る若い実習生を乗せて間もなく航海に出ようとする日本丸をお詠みになったものです。デザイン(三菱地所株式会社)は、上皇后さまの御歌の「月夜の日本丸」の帆と月をイメージしたもの。 帆の部分の石は、水磨きで仕上げたピンク色の花崗岩(ベトナム産プレイクピンク)で、上皇后さまのお人柄を意識したそうです。御歌の文字は、林文子横浜市長が揮ごうされました。
 
 なお、今回の記念碑建立は、帆船日本丸の建造90周年に合わせたもので、資金は同船の大規模修繕事業の寄付金(同委員会の呼び掛けによるもの)の一部が充てられています。




 
◎株式会社石半
横浜市戸塚区品濃町3
https://ishi-han.co.jp/

参考:『月刊石材』2020年6月号