筑波山塊の花崗岩をふんだんに使った迎賓館赤坂離宮（国宝）

祝！「筑波山塊の花崗岩（稲田花崗岩・加波山花崗岩）」が
世界のヘリテージストーン（天然石材遺産） に認定されました！

　国際地質科学連合（IUGS。事務局＝現在は中国）が実施するプログラム『IUGS Heritage Stone』 に、筑波山地域ジオパークの地質遺産「筑波山塊の花崗岩」が去る7月6日付けで認定されました。

『IUGS Heritage Stone』 とは、「国際的価値が高く、人類との関わりが古い天然石を“ヘリテージストーン（天然石材遺産）” に認定するプログラムで、それらの産地、地質学的特徴や石材としての特性、そして人類の文化的活用の歴史を英語文書として後世に残すこと」が目的です。

　今回認定された「筑波山塊の花崗岩」とは、主に稲田花崗岩（稲田石・羽黒青糠目石・坂戸石などの名称で呼ばれる）と、加波山花崗岩（真壁石・やさとみかげ・多喜石などの名称で呼ばれる）のことで、石材業界にとっても吉報です！

「筑波山塊の花崗岩」の同プログラムへの申請は今年2月、つくば市ジオパーク室（茨城県）と糸魚川ジオパーク協議会（新潟県）が中心となって行ない、石材見本を提出するなどして認定に至りました。

　今回の認定は日本のみならず東アジア地域初で、現時点で世界を代表する55のヘリテージストーンの一つとなります。国際地質科学連合の公式ホームページに55のヘリテージストーンが紹介されているので、ぜひご覧ください。また、同紹介をまとめた本のPDFデータ（英文）も無料でダウンロードできます。

「筑波山塊の花崗岩」を使用した石造物については、『月刊石材』2024年8月号・9月号掲載の「誌上！　東京駅周辺『石』めぐりツアー 」でも多数紹介しているので、併せてご覧ください。

◎国際地質科学連合による世界を代表する55のヘリテージストーン（国際地質科学連合ホームページより）

1.アルペドレテの花崗岩／スペイン
2.アルワルの珪岩／インド
3.アラビダの角礫岩／ポルトガル
4.バース石／イギリス
5.ベルナルドスの千枚岩／スペイン
6.カラーラの大理石／イタリア
7.カネマラの大理石／アイルランド
8.デカン高原の玄武岩／インド
9.エシャリオン石／フランス
10.エストレモスの大理石／ポルトガル
11.グロビゲリナ石灰岩／マルタ
12.ハッランド地方の片麻岩／スウェーデン
13.ジェイコブスビルの砂岩／アメリカ
14.ジャイサルメールの石灰岩／インド
15.コールモーデンの大理石／スウェーデン
16.ラルビカイト／ノルウェー
17.レデ石／ベルギー
18.リオスの石灰岩／ポルトガル
19.マクラナの大理石／インド
20.プティ・グラニット（ベルギー産青色岩）／ベルギー
21. マル・デル・プラタ石／アルゼンチン
22.セリーナ石／イタリア
23.ポペックの石灰岩／スロベニア
24.ポートランドの石灰岩／イギリス
25.ロッホリッツの珪岩質凝灰岩／ドイツ
26.ローザベータの花崗岩／イタリア
27.テネシーの大理石／アメリカ
28.テソアントラの白色凝灰岩／メキシコ
29.ティンダル石／カナダ
30.ビジャマヨール石（黄金石）／スペイン
31.ウェールズ地方の粘板岩／イギリス
32.マクラナの大理石／スペイン
33.ベルギー産黒色大理石／ベルギー
34.ファコイダル片麻岩／ブラジル
35.ドイツ産屋根用粘板岩／ドイツ
36.ヒマーチャルの粘板岩／インド
37.ジュラマルモルの石灰岩／ドイツ
38.ルーゴの緑色千枚岩／スペイン
39.マルムズベリーの青色岩／オーストラリア
40.ロジョエレニ石灰岩／スペイン
41.ゾルンホーへンの石灰岩／ドイツ
42.バレンティアの粘板岩／アイルランド
43.デニズリのトラバーチン／トルコ
44.インド産チャーノカイト／インド
45.アイフィヨルドの花崗岩／ノルウェー
46.アンサンの石灰岩／ポルトガル
47.ラリベラの玄武岩質スコリア／エチオピア
48.ポルトの花崗岩／ポルトガル
49.ラトコウの砂岩／ポーランド
50.サルデーニャの玄武岩／イタリア
51.テゾントル火山性スコリア／メキシコ
52.ヴィロラハティのパイテルライト／フィンランド
53.筑波山塊の花崗岩／日本
54.アフヨンの大理石／トルコ
55.西ガーツ山脈のラテライト／インド

　
◎国際地質科学連合
https://iugs-geoheritage.org/